16ストラディックCI4+を自分でオーバーホールする方法を解説します。
慣れれば30分程で終わりますが、初めて自分でオーバーホールする場合は2時間くらい時間がかかると思います。
まずはオーバーホールに必要な工具を紹介します。
この記事の目次
16ストラディックCI4+のオーバーホールに必要なもの
必要な工具類
16ストラディックCI4+ C2000Sに必要な工具は以下の通りです。
- 六角レンチ0.89mm
- メガネレンチ12mm
- トルクスドライバーT6 T8
- プラスドライバー
- ピンセット
- グリスを塗る刷毛
自分はC2000Sを所有しているのでC2000Sに必要な工具を紹介しています。
C3000等の他のサイズの場合は必要なドライバーが違う可能性もございます。
精密ドライバーセットを1つ持っておくとネジのサイズ違いにもその場で対応出来ますし、別のリールのオーバーホールにも使えるのでおすすめです。
六角レンチとトルクスドライバーは近所のホームセンターに買いに行っても売っていませんでしたので、大型ホームセンターに行くか、アマゾンで事前に入手しておきましょう。
写真の精密ドライバーセットは48種類のビットが入ってアマゾンで二千円程度、六角レンチのセットも数百円でした。
ホームセンターに行くと5種の精密ドライバーでも千円以上だったのでアマゾンで買った方が安いです。
オーバーホールに必要なもの
- パーツクリーナー
- オイルやグリス等
パーツクリーナーは購入時にギア等に塗られている使い古して汚れたグリスなどを落とすのに必要です。ホームセンターで数百円で購入出来ます。
グリスはギアと駆動部には専用のソルト専用ギアグリス「DG13」を使用します。その他の部分は普段の簡易メンテナンスに使用しているダイワ純正オイルとグリスを使用します。
ギアや駆動部にはギア用となっているグリスを使用しましょう。
ベアリング等に使用するグリスやオイルは粘度が低いのでギアに使用するとすぐにグリス切れを起こします。
グリスが切れたまま使用するとトラブルや異音の原因となりますのでご注意ください。
グリスの硬さで巻き心地が軽くなったり、重くなったりするのでギアに使用出来るグリスの中から好みの商品を使ってください。
こだわりがなければ純正をおすすめします。「KRE CRC 5-56」等のリール用以外のオイルを使用すると故障の原因となりますので避けてください。
ダイワ(Daiwa) リールガード スプレーセット グリス オイル
【シマノ純正】 NEWパッケージ!ソルト専用ギアグリス SR-G DG13 30g
準備が出来たらオーバーホールスタート
まずはネットで分解図を入手しよう
オーバーホールでネジを開ける前に、分解図を印刷しておきましょう。
リールを買った時の箱にも入っていますが、なければシマノのサイトで閲覧出来ます。
「16ストラディックCI4+C2000S 分解図」で検索します。
※お手持ちのリールのサイズ等が違う場合は自分のリールの型番に変えてください。
検索結果→ 16ストラディックCI4+C2000Sの分解図
これが分解図のスクリーンショットです。分解する時、組み立てする時はこの分解図を見ながら進めます。
各パーツには番号が振ってあります。初めての場合は外したネジやパーツが何番のパーツなのか書いておくと組み立てる時に苦労しません。
分解する時は、スマホで写真を取りながら少しずつパーツを取り外してください。
がたつきを調整する座金やシム等の枚数は個体により違います。写真を撮っていなと分解図だけでは後で分からなくなる事があります。
自分は外した部品は写真のように紙に番号を書いて保管しています。
本当は仕切りがあるケースに入れて保管するのがベストですが、工夫次第でなんとでもなります。
まずはピニオンギアまで外そう
手順1 10番のセットスクリューを外す
9番のワッシャーを外してから10番のセットスクリューを外します。
六角レンチ0.89mmを差し込んでネジを回すと取り外す事が出来ます。ネジが外れると11番のスプール軸ベアリングガイド〜16番ラチェットバネまで外れます。
手順2 17番固定ボルトを外す
手順3 43番固定ボルトを外す
ローターを外したら43番の固定ボルトを3本外します。
外すのは写真に○印をつけたネジです。写真ではシャフトに隠れていますが×印のロータークラッチのネジは外しません。
ネジ3本を外すと44番ローラークラッチカバー板〜47番Oリングまで外せます。
手順4 ピニオンギアを外す
ロータークラッチを外したら48番ボールベアリングと49番ピニオンギアを外します。
ピニオンギアはゆっくり引っ張るとメインシャフトから抜けます。
51番フリクションリング
53番中間ギア(B)軸まで外したら次はボディーを分解に進みます。
ボディー側も分解する
手順5 ボディーのトルクスネジを外す
60番、83番の固定ボルトを外します。
83番固定ボルトを外すと84番ボディーガードが外れます。
ボディーガードの内側に61番固定ボルトが隠れているので外します。
ここまで来るとついにボディーを2つに開く事が出来ます。
手順6 ドライブギアを外す
ボディーが開いたら56番ドライブギア組が取れます。外し方は上に持ち上げるだけです。
ドライブギアが外れたら写真の状態になるので78番メインシャフト組を上に持ち上げて浮かせてから下に引き抜くとボディーから外れます。
手順7 ウォームシャフトを外す
ウォームシャフトを抜くと54番ウォームシャフトギアと82番ウォームシャフトブッシュも外す事が出来ます。
次に79番中間ギア(小)〜81番中間ギア(大)まで外します。
グリスでくっ付いているのでまとまって外れるはずです。写真○印の部分はみなさんのリールはウォームシャフトブッシュです。自分のはベアリングに変更しています。
手順外 ベアリング追加
ステラなどの上位モデルではプラスチックのブッシュではなくベアリングが使われており、ベアリングに変更すれば回転性能が増して巻きが良くなると言われています。
ベアリングはAmazonで数百円で買えるので、少しでも上位モデルに近づきたいならついでに交換しておくと良いです。
自分は以下の4箇所のプラスチックカラーとブッシュをベアリングに交換しています。
●12番スプールブッシュ
ベアリングサイズはNMB(ミネベア) DDL-1170ZZ 内径7mm×外径11mm×幅3mmです。
ミニチュアベアリング 【NMB】 ステンレス 両シールド付 DDL-1170ZZ 677ZZ 内径7mm×外径11mm×幅3mm
●87番ウォームシャフトブッシュ
ベアリングサイズはNMB(ミネベア) DDL-630ZZ 内径3mm×外径6mm×幅2.5mmです。
ミニチュアベアリング 【NMB】 ステンレス 両シールド付 DDL-630ZZ 673ZZ 内径3mm×外径6mm×幅2.5mm
●75番ウォームシャフトピンカラー
ベアリングサイズはNMB(ミネベア) DDL-520ZZW52 内径2mm×外径5mm×幅2.5mmです。
ミニチュアベアリング 【NMB】 ステンレス 両シールド付 DDL-520ZZW52 内径2mm×外径5mm×幅2.5mm
●66番ハンドルノブブッシュ
ベアリングサイズはNMB(ミネベア) DDL-740ZZ 内径4mm×外径7mm×幅2.5mmです。
ミニチュアベアリング 【NMB】 ステンレス 両シールド付 DDL-740ZZ 674ZZ 内径4mm×外径7mm×幅2.5mm
手順8 ボディから全てのパーツを外す
反対側のボディにも48番ボールベアリングが付いているので外します。ここまでで分解とパーツの取り外しは終わりです。
パーツの洗浄
ベアリングはガラス瓶等にパーツクリーナーを溜めてしばらくつけておくとベアリング内部の汚れが落ちやすいです。洗浄時にパーツにグリスでひっついて一体化していたシムなどが取れる事があります。
あまり沢山のパーツを一度に洗浄するとシムがどこから取れたのが分からなくなる事があるので、慣れるまでは一つ一つ順番に洗浄していく事をおすすめします。
パーツが乾いたらグリスアップ
ドライブギア、ピニオンギア、ウォームシャフト、中間ギア(小)(大)などの駆動部はシマノ純正ギア用グリスDG12を使用しています。
グリスは刷毛などを使って薄く全体に馴染ませるように塗り込みます。
グリスの量を増やすと抵抗が増して巻きが重くなります。グリス量は各自の好みです。
ベアリングはベアリングに使えるグリスかオイルを使います。ギア用は粘度が高いので回転性能が悪くなります。
今回はベアリングにはダイワ純正のリールガードグリスを使用しました。
リールはシマノですが、ダイワのグリスやオイルを使用しても問題ありません。
基本はグリスを使用しますが、より回転性能を高めたい場合はオイルも使えます。
オイルを使う場合は、ベアリング内のオイルが切れないように頻繁な注油が必要です。
ベアリングはグリスアップ前に回してゴリ感がないかチェックしておきます。ゴリ感があるならベアリング交換が必要です。交換するベアリングはシマノ純正なら釣具屋で取り寄せ出来ますが値段は高いです。個人的にはリーズナブルなミネベアのベアリングで十分だと思います。ミネベアはミニチュアベアリングの世界シェア約60%の会社ですから品質も信頼出来ます。
組み立てる
グリスアップが終わったらパーツを組み立てていきます。
組み立ては取り外しの逆をするだけなので細かい説明は省きますが注意点だけ書いておきます。
取り付け忘れやすいパーツ
47番:Oリング
58番:フタフランジシール
等の防水パッキンや、52番内ゲリ当タリは取り付けを忘れやすいので気をつけましょう。
ボディーを閉じてから取り付け忘れに気付いたらもう一度、ネジを開けないといけなくなります。
芯出しを忘れずに
ストラディックCI4+は非常に繊細に組み上げられているのでネジを締めるトルクでも巻き心地が変わります。
43番固定ボルトを締め付ける際、メインシャフトがローラークラッチの中央になるように固定ボルトの締め付け具合を調整します。
ボディを閉じる時にも60番、61番の固定ボルトを締めすぎるとギアの噛み合わせがきつくなり過ぎて巻きが重くなります。
ハンドルを回して巻きが思い場合は60番、61番のネジをそれぞれ少しずつ緩めたり締めたりしてスムーズに回転するポイントを探しましょう。この作業を芯出しと言います。
オーバーホール前よりも巻きが悪くなった場合は芯出しが出来ていない可能性が高いので、時間をかけて気持ちよく回るところを探していきましょう。
最後に
いかがでしたか?
分解図と、分解中の写真をこまめに撮っておく事が元に戻せないようにならないコツです。
この記事を見て自分にも出来そうと思った方はぜひチャレンジしてみてください。
自分には出来なさそうと思った方はお金はかかりますがメーカーにオーバーホールを依頼して下さい。
分からないのに無理して自分でやると元に戻せなくなります。
はじめてのセルフオーバーホールは時間がかかるものですが、その分、愛着もリールの仕組みの理解も深まりますので出来る人は頑張ってやってみて下さいね。
オーバーホール中にどうしても分からなくなった場合はコメント欄からご連絡してもらえれば記事に補足させて頂きます。
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